続・(損保の)アクチュアリー2次試験

前回
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100531
のエントリーの後

(1)いわき(@s_iwk)さんが2回目のブログエントリー
http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/22-9278.html

(2)まいす(@maisudai)さんがブログエントリー
http://maisu.blog.shinobi.jp/Entry/957/

(3)むしまんさん(@mushiman2)からTweet
http://twitter.com/mushiman2/status/15172208763

といろいろな方から反響をいただいたので、こちらの方でも何点か補足いたします。

1.むしまんさんのTweetについて

私は勉強範囲はテキスト等の試験範囲のみ、所見は無難にプラスアルファ程度で十分、と考えてます。

ですが、後半の所見については賛成です。というよりも時間的に「無難にプラスアルファ程度」を書くので精一杯です。

前半ですが、生保と損保では違いがあるのかも知れません。
損保の場合は、最近の改正事項それもかなり細かい部分がしばしば出題対象になります。(特に損保2(損保会計))
前回の例だとソルベンシーの改正については、まず今年の試験で狙われる可能性が極めて大です。(などと私が書くまでもなく受験者の皆様は、対策を打たれているでしょうが)

2.海外情報

海外でCEIOPSの例はさすがにやり過ぎでした。
もちろん日本の試験なので海外の制度の問題それも最新の事情等が試験で聞かれることはありません。
論文問題で、ごくごくさわりでよいので海外の話を書き加えると上記のプラスアルファになりうるという意図でした。
そういうのに適切な日本語の資料は、いわきさん御紹介のジャーナル・会報別冊等の他に、例えば

「欧州の先進的な保険リスク管理システムに関する研究会」議題・資料

http://www.fsa.go.jp/frtc/kenkyu/ousyuu/index.html

同報告書

http://www.fsa.go.jp/frtc/kenkyu/20080909.html

等があります。

3.その他の情報

(1)前回書きもらしましたが、「損害保険会社の保険計理人の実務基準」は最近変わったばかり
http://www.actuaries.jp/info/sonpo_jitumukijun_H22.html
のでこれも要注意です。*1

(2)いわきさんがブログで挙げられている
「生保商品の変遷〜アクチュアリーの果たした役割〜」(isbn:4892933813
に相当する損保の「背景」や「考え方」を知ることのできる本(で今入手可能なもの)をすぐには思いつきません。
法令の改正をパブリックコメントに諮る際などに資料として背景の説明が出てくることがあるので(ソルベンシーを例にとると
http://www.fsa.go.jp/news/19/hoken/20080207-1.html
の(参考2)等)、
そういうのを丹念に拾い上げていくしかないと思います。
御存じのとおり平成8年に半世紀ぶりに保険業法が改正されましたが、そこから10年ちょっとの間に(ある意味)そのときの改正以上に大きな変化が生じています。

(3)他には
社団法人生命保険協会発行の
「生命保険会社のディスクロージャー〜虎の巻」 2007年版
http://www.seiho.or.jp/activity/publication/tora2007.html
が役立つかもしれません。
業界人以外が使わないような用語等を簡潔に解説してくれているところが(短文記述問題等に)役立ちます。(当然生保と損保は違う部分もあり、損保としては共通部分しか利用できないのですが*2
2007年度版が最後なのが本当に残念です。

4.文章を「作る」訓練

あと前回書き忘れたのですが、文章を書く訓練と共に文章を「作る」訓練をされるとよいかも知れません。
鉛筆(シャープペンシル)を使って書く訓練の必要性は前回のとおりですが、これだけでは文章を「作る」量が不足しがちです。
「作る」訓練は、鉛筆を使う必要はなくPCのキーボードをたたけば十分です。
具体的な訓練の場としては、例えば、社内外の研究会等の報告書、ブログ等が考えられます。

以上

*1: http://www.actuaries.jp/comm/sonpo_jitumkjn.html で紹介されている実務基準へのリンクは最新の改正が反映されていないので更に要注意

*2:逆に生保の試験には当たり前すぎて使えないかもしれませんが