続:「『災害保険金の話』の話」の話
前回
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20101004
掲載した
「『災害保険金の話』の話」の話
ですが、
「アクチュアリーの練習帳」
http://acalax.info/app-def/S-102/wp/?p=323
を書かれているアカラックスの坂本嘉輝さんから次のように
「地震免責かどうかはもともとの生保と損保系生保の違いではない」
とのご指摘を受けました。
最近の『「『災害保険金の話』の話」の話』面白かったのですが、チョット勇み足かな、と思いますので、ご連絡します。
もともとの生保と損保系生保の違い、という話ですが、正しくは、生保の地震免責の規定に2通りの書き方がある、ということだと思います。
たぶんもともとはactuary_mathさんの、いわゆる損保系生保の地震免責、ただし削減払いするかもしれない、という規定が標準だったのが、その後、一部の会社で地震を免責からはずして削減支払を規定するようになったものと思います。
役所のほうはできれば削減支払の規定が望ましいけれど、必ずしもすぐに地震免責の規定を削減支払の規定に変更しなければならない、というほどでもない、ということかと思います。
損保系生保が地震免責の規定だとすると、損保系生保が免許取得したときにコピーの元としたもともとの生保の約款が地震免責の規定だった、というだけのことだと思います。
actuary_mathさんが例示しているように、日本生命や住友生命は削減支払の規定になっていますが、第一生命や明治安田生命は地震免責の規定だと思います。
この地震免責については損保のほうは知りませんが、生保のほうには伝説があります。かの関東大震災のとき、損保は免責で払わなかったのに生保は払った、というものです。
この地震免責は保険法ができる前の商法の規定で免責となっていたものです。
調べてみると確かに第一生命や明治安田生命は、地震免責となっていました。
いわきさんのブログ
http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-6c2d.html
の追記にも取り上げてもらったのですが、坂本さんの御指摘どおり勇み足となったことをお詫びいたします。
お詫びとして、生命保険協会加盟各社のWEBサイト上公開されている約款等を見たところ以下のとおりでした。
上記のとおり損保系ではない生保で地震免責となっている会社がある一方で、三井住友海上きらめき生命のような損保系生保でも地震免責でない会社があるようです。*1
「?」や「−」の会社について更に情報が分かればお知らせください。
表の見方
A:地震免責でない(場合により削減払又は不払い)
B:地震免責(場合により全額支払又は削減払)
?:約款が確認できない(災害特約・傷害特約等の存在は確認)
−:災害特約・傷害特約等が存在しない又は存在が確認できない
*1:損保ジャパンひまわり生命は、損保の子会社生保で地震免責でない会社ですが、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%90%8D%E4%BF%9D%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%81%B2%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%82%8A%E7%94%9F%E5%91%BD%E4%BF%9D%E9%99%BA にあるようにもともと外資系の会社で、他の「損保系生保」とは少し系統が違います。
*2: http://www.mitsui-seimei.co.jp/life_assured/payment/showcase/saigaihoken.htm で確認