お詫びと訂正

今日は前

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20081120

に書いた複合分布に関する記述のお詫びと訂正です。

元の問題は、以下のとおりでした。

「1家族に子供がn人いる確率は[tex:(1-p)p^n \, (n \ge 0,0(平成21年7月改訂版)のp.p.2−11〜2−12にある次の記述を利用します。
(「損保数理」の改訂に伴いイタリック部分を2009年8月1日に追加・変更。旧版ではp.p.2−8〜2−9)


(a)一定期間内に発生するクレームの件数を表す確率変数N
(b)i番目のクレーム額を確率変数X_i
(c)各X_iは同一の分布Xに従う。
(d)確率変数N,X_1,X_2,\cdotsは互いに独立
という前提の下で、クレーム総額
S=X_1+X_2+\cdots+X_N
の期待値、分散、積率母関数が、それぞれ
E(S)=E(X)E(N)
V(S)=V(X)E(N)+\{ E(X) \}^2 E(N)
M_S(t)=M_N \{ \log M_X(t) \}
となる」

(3)では、
M_N(t)=E(e^{tN})=\frac{q}{1-(1-q)e^t}
であり、
M_X(t)=E(e^{tX})=p \cdot e^t+1-p
なので、
M_S(t)=\frac{q}{1-(1-q)(p \cdot e^t+1-p)}=\frac{\frac{q}{p+q-pq}}{1-\frac{p-pq}{p+q-pq}e^t}
となり、
S \sim NB \left(k,\frac{q}{p+q-pq} \right)
がいえます。

問題の解法ですが、
子どもの人数をNとすると、
N \sim NB(1,1-p)(幾何分布は負の二項分布で最初のパラメーターを1とおいた場合に相当することに注意しましょう。)
であり、
男の子の生まれる確率が\frac{1}{2}なので、男の子の人数をSとすると、
S \sim NB \left(1,\frac{1-p}{\frac{1}{2}+1-p-\frac{1-p}{2}} \right)
つまり、
S \sim NB \left(1,\frac{2-2p}{2-p} \right)
となり、

p(S=k)=\frac{2-2p}{2-p} \left(1-\frac{2-2p}{2-p} \right)^k
=\frac{2-2p}{2-p} \left(\frac{p}{2-2p} \right)^k
=(1-p)\frac{ \left( \frac{p}{2} \right)^k}{ \left( 1-\frac{p}{2} \right)^{(k+1)}}
となります。