生保数理(定常人口)についての問答(3:最終)
大分間があいてしまいましたが、
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090917
で予告したとおり、
図による解法をご照会したいと思います。
問題(再掲)
(生保年金数理〈1〉(理論編) isbn:4563011339 黒田耕嗣著 培風館 p178)
『定常状態にある社会において、総人口に対する出生率が1.25%で、1年間の死亡者数が2,600人で、40歳以下の人口が総人口の50%を占め、41歳以上の人の死亡率が2.4%であるとする。
(1)総人口を求めよ。
(2)41歳人口を求めよ。
(3)40歳以下の死亡者の死亡時の平均年齢を求めよ。
(4)41歳以上の死亡者の死亡時の平均年齢を求めよ。』
まず、定常社会なので、1年間の死亡者数と1年間の生存者数は等しいです。
したがって、1年間の出生者数は2,600人
2,600÷1.25%=208,000・・・(1)の答え
次に、
(3)40歳以下(生後41年未満)の死亡者の死亡時の平均年齢を
(4)41歳以上(生後41年以上)の死亡者の死亡時の平均年齢を
とおきます。
つまり、
(a)生後歳まで全員生存し、歳で人死亡
(b)その後歳まで全員生存し、歳で人死亡し、それ以上長生きする人はいない。
というものです。
この図の状況の下で、まず、41歳以上の死亡率が2.4%なので
∴・・・(4)の答え
また、図のの面積=208,000÷2=104,000
で、
より、
∴
の面積=208,000÷2=104,000なので、
∴・・・(3)の答え
となります。
試験に出てくる定常人口の問題は、このような図による解法で解けるものが少なくありません。
なお、(2)については問題の設定に不備があったので解きませんでしたが、上記の設定だと人が答えであり、これは問題集の答えとは一致しています。
アクチュアリー試験本番においても、不備のある問題が出題されることは数は少ないですが、皆無とは言えません。
(例えばhttp://www.actuaries.jp/examin/H19exam/H19mistake.pdf)
当然そのような問題については、直接損害(当該問題)については全員正解扱いとされますが、間接損害(その問題に取り組んだことによる時間的ロスや精神的な動揺等)は補償されません。
したがって、もし本番でこのような問題に出たら、間接損害を防ぐために、上記のような「方法」で「間違いにできない答え」を見つけてそれを書いておくことをお勧めします。