アクチュアリー採用問題の解答案(11)
またまた、大分間があいてしまいましたが、
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100114
から始まった
「アクチュアリー採用問題の解答案」
シリーズの11回目です。
今日は
住友生命
http://d.hatena.ne.jp/actuary2/20090412/1239536643
です。
基本的には高校数学の問題ですが、問題量は全般的に多めだと考えます。
問3は公務員試験に出そうな問題で、他社では見られないものです。
このような「嘘つき」がいる問題では、
(1)「嘘をついていない人」を特定する(この場合は2人が「嘘をついていない」ことが分かります)
(2)「嘘をついているかもしれない人」の候補から誰かを嘘つきに固定して話を進めてみて矛盾してら次の候補に変更
(3)上記(2)を矛盾がなくなるまで繰り返す
というような解き方になると考えられます。
また、問1(6)については図がついていなかったので
http://f.hatena.ne.jp/actuary_math/20100225200005
の赤色部分の面積として求めました。
その他の注意点は、
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100114
のそれと同じです。
問1
(1)
…(答)
(2)
サイコロの目が5以下になる事象は(1回目の目,2回目の目)の順に
(1,1),(1,2),(1,3),(1,4),(2,1),(2,2),(2,3),(3,1),(3,2),(4,1)
の10通り
したがって、求める確率は
…(答)
(3)
道のりをkmとする
km/時…(答)
あるいは、40と60の調和平均で
km/時…(答)
(4)
(ただし、は積分定数)…(答)
(5)
が最大になるのは、
図
http://f.hatena.ne.jp/actuary_math/20100225200004
のように
(a)と
とがで接するときである。
(a)より、
であり、これを(b)に代入して
つまり、
(a)と(b)が接するとき、(c)は重解をもつので、判別式をとすると、
∴
となるのは、のときで
…(答)
(なお、このとき、
であり、確かに問題文中のすべての不等式条件を満たしている。)
(6)
図
http://f.hatena.ne.jp/actuary_math/20100225200005
の青色と黄色の部分の面積比は、
また、図の青色と緑色の部分は合同
一方、青色+黄色+緑色の面積は、
∴青色+黄色の面積は、
求める赤色の正方形の周囲には、「青色+黄色」と合同な図形が合計4組あり、求める面積は、
…(答)
(7)
…(答)
(8)階段を1歩で1段、または2段上れる人がいる。この人が10段の階段を上る上り方は何通りか。ただし、右足と左足の区別はしないものとする。
段の階段の上り方を通りとする。
のとき、段の階段の上り方は、
(a)最初の1歩を1段あがり、残りの段を上がる
(a)最初の1歩を2段あがり、残りの段を上がる
の2通りがあるので、
…(*)
とかける。(フィボナッチ数列)
(1段×2回と2段)
なので、
(*)により順次まで求めると
1,2,3,5,8,13,21,34,55,89
となる。
つまり求める10段の上がり方は89通り…(答)
(9)45を引いても、44を足しても、平方数になるような自然数を求めよ。
求める自然数をとおくと
…(a)
…(b)
(ただしは整数)
(b)-(a)より
89は素数でより、
これより、
()
これを(b)に代入して
…(答)
(10)ある地域の天気について、晴れと雨の2通りしか無いものとする。
(i)晴れの日の次の日の天気は、2/3の確率で晴れ、1/3の確率で雨である。
(ii)雨の日の次の日には、晴れになる確率と雨になる確率は同じである。
十分長い時間が経過したとき、それぞれの天気になる確率はどうなるか。
十分長い時間が経過したときの晴れの確率をとすると、
これを解いて、
つまり、
十分長い時間が経過したときの晴れと雨の確率はそれぞれ
である。…(答)
問2
(1)Aのコインが枚の状態から
(i)Aがゲームに勝った場合
Aのコインが枚となり、そこから最終的に勝つ確率は
(ii)Bがゲームに勝った場合
Aのコインが枚となり、そこから最終的に勝つ確率は
(i),(ii)の確率はそれぞれなので
(2)
上記(1)の答えを整理すると、
つまり、
これより、のとき、
∴のとき、
(ただし、とおく、)
…(A)
(∵)
(i)
のとき、
(A)より、
ここで
なので
∴
これはでも成り立っている。
(ii)
のとき、
(A)より、
ここで
なので
∴
これもでも成り立っている。
問3
「X>Y」で「XはYより速かった」ことを表わすことにする。
観客2「B>D」
観客3「D>A」
観客5「A>B」
なので、この3人の発言が全部本当とすると「B>D>A>B」となって矛盾するので、このうちの一人が嘘をついていることになる。
逆に観客1と観客4の発言は本当であることが分かる。
観客2と観客3の発言が本当(観客5の発言が嘘)とすると
「B>D>A」となり、観客4の発言により「A>C」なので
順番は「B>D>A>C」となり、Cは4位。これは(本当であることがわかっている)観客1の発言に矛盾。
つまり、観客2と観客3の発言のいずれかが嘘で観客5の発言は本当。
観客5の発言と観客4の発言より、
「A>B>C」の順でありこれと観客1の発言とあわせると
「A>B>C>D」になる。これは観客2の発言とは合致し、観客3の発言とは合致しない。
これより、
嘘をついているのは観客3で、速かった順にA,B,C,D…(答)