アクチュアリー試験に役立つ知識(9)

今回と次回はルベーグ(Lebesgue)積分論の応用について考えます。

今回は、大分前の記述
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20080718
で保留にしていた事項の証明です。

この命題の証明は、大学の数学科3年レベルの知識が必要となるものですが、結果だけは知っておいて損がないと思います。(選択肢の絞込みに使えることは前にみたとおりです。)

不思議なことにその記述をアクチュアリー関連の書籍(教科書・参考書として掲げられているもの)ではあまり見かけません。

(命題)
X,Y確率密度関数f(x),g(y)をもつ独立な確率変数で、f(x),g(y)はほとんどいたるところ連続とする。さらにf(x),g(y)の少なくとも1つが有界であるとき、
S=X+Y確率密度関数h(s)は全区間で連続

(証明)
h(s)=\int f(s-y)g(y)dy=\int f(x)g(s-x)dx
なので、
f(x)有界としてよい。
つまり、あるK>0が存在し、すべてのxに対して、[tex:f(x)