2008年度アクチュアリー試験から(2)

しばらく間が空きましたが、2008年度アクチュアリー試験から「例の解法」の使える問題を取り上げる2回目です。

今回は問題1の(5)をとりあげます。

この問題は、
\bar{\rm{AB}}=Y,\bar{\rm{AC}}=Zとおくと、
Y,Zが独立にU(0,1)に従うときに
X=(Y-Z)^2確率密度関数を求める問題

というように翻訳できます。

このような問題では、いきなり確率密度関数を考えるのではなく、分布関数を考えるとうまくいくことがあります。
(分布関数を微分すると密度関数)
Xの分布関数をF(x)とおくと、
F(x)=P(X \le x)=P((Y-Z)^2 \le x)=P(|Y-Z| \le \sqrt{x})
となり、それは図

の灰色部分の面積となります。
つまり、F(x)=1-(1-\sqrt{x})^2=2\sqrt{x}-x
これより、f(x)=F'(x)=\frac{1}{\sqrt{x}}-1・・・(C)


これは普通のやり方ですが、「例の解法」による「かわし」も存在します。

まず、当然確率密度関数を[tex:0(C)以外に答えはありえない
ということになります。