アクチュアリー試験のための年金数理人会試験解説(2)
前回
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090225
から始まったシリーズの2回目です。
今回は平成20年度問題1(2)です。
(問題)
(2)正規母集団の平均値の検定を行う。帰無仮説を対立仮説に対して有意水準5%で検定を行う際に、第2種の誤りをおかす確率を1%以下にするために最低限必要な標本
数はである。
(必要に応じて標準正規分布の値、
を使用し、さらにこの間の値を使用する場合には直線補間にて使用すること。)
(ア)16
(イ)17
(ウ)18
(エ)19
(オ)20
(カ)21
(キ)22
(ク)23
(ケ)24
(コ)25
(解説)
標本数をとします。
まず帰無仮説の棄却域を求めます。
個のが、独立にに従うとき、平均は、に従います。
よって棄却域は、です。
一方、個のが、独立にに従うとき、平均は、に従います。
となるを求めることに相当します。
つまり、
となり、
これより、
なので、求める答えは(ア)の16です。
参考URL
「第一種の誤りと第二種の誤り」
http://actuary.upthx.net/pukiwiki/index.php?1.1.2.1.3.%C2%E8%B0%EC%BC%EF%A4%CE%B8%ED%A4%EA%A4%C8%C2%E8%C6%F3%BC%EF%A4%CE%B8%ED%A4%EA
「正規分布に従う統計量」
http://actuary.upthx.net/pukiwiki/index.php?1.1.2.2.2.%C0%B5%B5%AC%CA%AC%C9%DB%A4%CB%BD%BE%A4%A6%C5%FD%B7%D7%CE%CC
なお、
「医療情報用語を覚えよう」
http://www5f.biglobe.ne.jp/~h-it/
を主宰されているNAOさんが、
第1種の誤り、第2種の誤りをそれぞれ
「あわてものの誤り」「ぼんやりものの誤り」と表現されています。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~h-it/mlcont/mc0164.htm
これは言い得て妙だと思います。