アクチュアリー採用問題の解答案(序)
そろそろ就職活動の時期も近づいたのかと思いますが、しばらくの間アクチュアリー採用の問題を解いてみたいと思います。
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090830
の脚注他何度か述べたことがあるのですが、
「アクチュアリー採用」(アクチュアリー枠)はアクチュアリーになるための必要条件でも十分条件でもありません。
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090220
でも述べたように文系学部でアクチュアリー採用とは無関係の方でアクチュアリーになった方はいらっしゃいますし、アクチュアリー採用でない方がアクチュアリー採用の方よりも早くアクチュアリーになられるケースもしばしば存在します。
id:actuary2 さんが、まとめられた
「アクチュアリー志望者のための就職活動攻略」
http://d.hatena.ne.jp/actuary2/
については前から知っていたのですが、上記のような理由でこれまで手を付けてこなかったところです。
ところが、最近、主に以下の2つの理由からアクチュアリー採用問題に解答案を付けようと思いなおした次第です。
(1)
http://twitter.com/actuary_math/status/7622310826
でも述べたのですが
アクチュアリー採用を受けようとするからには、
http://ameblo.jp/gogo-pd/entry-10326045011.html
にある
「3個のさいころを同時に投げる試行をn回繰り返す。このとき、3個中少なくとも2個の目が1であるという事象がn回のうち奇数回起こる確率をPnとする。このとき、Pnは?」
という問題が解けないのはまずいのではないかと考えられること(その他今回のシリーズで取り上げようとする問題の大半も同様)
また、それを単に「解け」というのではなく実際に解いてみせたほうがよいと考えられること
(2)アクチュアリー試験の基礎知識の重要性は何度か申し上げていますが、
(例えば
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090930
)
これらの問題が(一部を除いて)そのような基礎知識の練習問題としていい題材なのではないかと考えられること
今回は、上記(1)の問題の解答を付けます。
次回は一番上にある
東京海上日動火災保険の試験問題
http://d.hatena.ne.jp/actuary2/20090501/1241205220
から順に(日付の最近のものから)解いていくつもりですが、「○○会社のを先に」というリクエストがあれば可能な限り対応いたします
(問題:再掲)
「3個のさいころを同時に投げる試行をn回繰り返す。このとき、3個中少なくとも2個の目が1であるという事象がn回のうち奇数回起こる確率をPnとする。このとき、Pnは?」
(解答例)
まず、1回の試行で「3個中少なくとも2個の目が1である」確率を求める。
3個全部の目が1の確率は
2個の目が1、1個の目が1以外の確率は
∴
次にとし、
(∵二項定理)
(∵二項定理)
とおくと
(a)-(b)で右辺のが奇数の項が2倍され、偶数の項がキャンセルされるので、これがに等しい
…(答)
(別解)
を求めるところまでは同じ
という漸化式が成り立つ。
特性方程式は
でこの解は、
つまり、
なので、
∴
…(答)