アクチュアリーになる為大学でやるべき事項他


http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100615
でご質問された方から

と追加のご質問があったので、お答えいたします。

1.アクチュアリーになるために大学在学中にやるべき事項

まず、教養課程程度の微積分・線型代数をしっかり押さえることだと思います。今の、アクチュアリー試験の観点からは特に計算が早く正確にできることが求められます。
経済学部等の場合はこれらが必修科目になっていない場合がありますが、選択科目等で履修したほうがよいでしょう。

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090830
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090929
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090930
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20091111
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20091114
の各エントリー等をご覧ください。

2.在学中に1次試験は最低1科目合格しないとアクチュアリーとして採用されないか?

合格科目があった方が有利だとは考えられますが、1科目も合格していなくても(受験していなくても)、試験(アクチュアリー採用の場合は普通数学の試験が課されます)によい成績をとるなどして採用される場合はあります
そもそも、アクチュアリー(候補)として採用される」と日本アクチュアリー会正会員とは別物です。アクチュアリー候補として採用されても(なかなか)アクチュアリー(正会員)になれない場合も存在するし、アクチュアリー候補でない(一般の採用)の方が同期のアクチュアリー(候補)採用よりも早くアクチュアリー(正会員)になる場合すらあります。
もちろんアクチュアリー(候補)採用の方が、関連する職場への配属や、講座への参加の容易さ等でアドバンテージがあるのは確かですが。

3.金融関係のゼミは就職に関わるか?

私は金融関係のゼミには所属したことがないので、あくまでも感覚的な話になりますが、ゼミで金融関係を取るか取らないかが、就職に与える影響(有利/不利)はほとんどないのではないかと思います。
例えば、当事者の皆様には大変失礼な言い方になるかも知れないのですが、保険関係の講義やゼミで習った内容を、直接的には保険会社で活用できるかというとそれは厳しいと思います。
だからといってそれらを学ぶことが無駄という話ではなく
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100615
で、数学に関連して述べたように、そこでの思考訓練がアクチュアリーに限らずどのような職種においても役立つものだと考えます。
そのときの答えとも関係しますが、自分の興味のあるゼミをとるのが一番だと考えます。

(追記)

以下手前味噌の部分があるのですが…
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1142771986

大学3年・短大以上という受験要件
http://www.actuaries.jp/examin/H21exam/H21-H.pdf

「所定の書類を提出したうえ、試験委員会が大学を卒業した方と同等の資格試験受験に必要な基礎的学力を有すると判断した場合のみ受験が許される」
という字面で捉え
「在学中要件を試験委員会に認めていただくのは、よほどの実績を伴っている場合に限られると思います。それはたとえば、在学中の大学や職場でその専攻科目の助手的立場にあるとか、関係論文等が学内外で一定の評価を得ている、とかの実績です。」
というような誤解をされる方がいらっしゃるようなので念のために申し上げますが、
大学3年で受験申請して断られたというケースは聞いたことがありません

アクチュアリー転職希望者の方からのご質問

http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100424#c
アクチュアリー転職希望者の方(shilvaさん)からご質問があったので回答を載せてあります。


shilvaさんは、「他ブログでも同様の質問をしている」と書かれていますが、それ(の1つ?)がいわきさんのブログ
http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-dc90.html
であることが分かりましたので、他の皆様のご参考の為にURLを掲載しておきます。


いわきさんの方が、shilvaさんのキャリアに対して、より踏み込んだ回答をされていますが、いわきさんも私も別に転職斡旋を職業としているわけではないので、上記の答えでも申し上げましたがとりあえず転職エージェントに登録してみることをお勧めします。

アクチュアリーと経済学部と数学科

Twitterで以下のご質問を受けました。


高校3年生でアクチュアリーに興味を持たれているのは嬉しい限りです*1
結論を先にいうと有利さという点では「どちらでもよい」(もっというとこれら以外の学部・学科でもよい)と思うのですが、以下更に説明をしてみたいと思います。


(1)今のアクチュアリー特に年齢の上の人ほど数学科の割合が多いのは確かだと思います(詳細なデータをとったわけではないのであくまでも感覚的な話ですが)。
それは、(しばしば誤解されているのですが)アクチュアリー試験が数学科出身でないと解けないほど難しい問題が出るとかそういうことではなくて、昔の数学科の就職先の種類が少なく、アクチュアリーを抱える会社(保険会社、信託銀行等)が有力な就職先であったからに過ぎません。


(2)現在の日本のアクチュアリー試験で必要とされる数学力のベースは、大学教養過程の2年くらいまでの微積分・線型代数(高校で習うベクトルや行列の発展科目)であり、例えば数学科の3年以上で習う(ルベーグ積分論等は必要とされません。


(3)上記の数学力のベースは数学科でないと学べないものではなく、理系だと普通必修だし、文系の方でもその気になれば履修可能だと思います。もちろん大学のカリキュラムを取らなくても自習可能です。
今は、数学科の就職先も広がりを見せており、また、アクチュアリーのバックグラウンドも数学科以外にも拡大していると思います。
まだまだ理系が多いのは否定しえない事実だと思います(これも統計がないのであくまでも感覚的な話)が、文系学部出身の方でも十分合格可能で、その実例もあります
例えば
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100217
(とそこからのリンク)
をご参照ください。


(4)上記のことは、あくまでも試験の話であって、ルベーグ積分論がアクチュアリーに全く必要とされないということとは違います
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100327
とそこで引用している
http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-dc90.html
のコメント欄
をご参照ください。


(5)ただ、残念なことに(アクチュアリー)採用の際に文系だと受け入れられにくい場合があることは否定しません。ただし入ってしまえば無関係です。
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100129
をご参照ください。


(6)以上を見れば数学科がいいようにも思われますが、ここで数学科で習う数学は高校までの数学やアクチュアリー試験で必要とされる数学とは、違うことには注意が必要だと思います。
例えば、方程式x^2=2の解のうち正の方を\sqrt{2}と書くのですが、そのような「方程式の解」が本当に存在するかどうかということから(実数や関数の連続性から初めて)論じるのが数学科の数学です。
「数って何だろう?」とか「連続って何だろう?」とか、そういうことを考えたり人(教員、先輩、同期)と議論したりすることが嫌いとかいうことであれば、数学科(院)の数年間は大変なものになると思います。
(より詳しくは
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100123#c1264422128
以下のコメント−とっても長いですが…−をお読みください)
高校までの数学であれば、\sqrt{2}の近似値を具体的に導出する方に重きを置かれるし、アクチュアリー試験で求められる数学もそのようなものです。(ご存知だと思いますが、アクチュアリー試験の1次試験はマーク式なので答えを導出される過程は問われません。だからこそ、このブログで「研究」されているような手法の余地があるのですが…)
このように数学科の数学とアクチュアリー試験の数学に違いがあることから、数学科でも一部の大学の一部の先生を除いて別段アクチュアリー試験に受かりやすい講義が行われるわけではないと思います。


(7)
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100327
でも書いたように
数学的な知識そのものより以外に、数学で身に付けた「考え方」*2を使う機会が少なくないのは確かなのですが、それは別に数学でないと身に付かなかったものではないとも考えます。
 また、ルベーグ積分論が「身につけておいて損はありません。」(上記のブログのいわきさんのコメント)のは確かですが、経済や会計の知識(法律等もですが)も「身につけておいて損はありません。」


(8)以上をまとめると

(a)試験に必要な範囲の数学力は数学科でないと身に付かないものではなく、文系学部でも可能。実際文系でも合格事例は存在する。
(b)理系でないと受け入れられにくいケースもないわけではないが入ってしまえば無関係
(c)数学科だと勉強しやすい知識(ルベーグ積分論等)で試験とは関係なくアクチュアリーとして損のない知識があるのは事実だが、経済学部等で勉強しやすい知識(経済・会計等)でアクチュアリーとして損のない知識があるのも事実

となると思います。
このことから
「本当は経済に興味があるんだけど、アクチュアリー試験に有利そうだから数学科」
という選択はお奨めしません。

大学時代は、(少なくとも会社員よりは)まとまった時間がとれるのは間違いないと思われるので、自分の興味のあるものを勉強すればよいと思います。
もちろん数学にご興味*3があって、かつ上記のように高校までの数学と数学科での数学との違いをご理解された上で、数学科に興味をもたれ進まれるのであればそれは素晴らしい選択だと思います。

以上

*1:私などは大学4年生まで「アクチュアリー」という単語を知りませんでした。

*2:例えば埼玉大学教授 小池茂昭先生のサイト http://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/skoike/maji.html をご参照

*3:アクチュアリーを目指されるのであればご興味があるのでしょうが

アクチュアリー試験と年金数理人会試験の年金数理

前回
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100610
アクチュアリー試験の年金数理の対策の一つとして年金数理人会能力判定試験を取り上げましたが、信託銀行に勤務され年金アクチュアリーを目指している読者の方からコメントをいただきましたので以下にご紹介いたします。

 (1)で、年金数理人会能力判定試験について取り上げられておりますが、私個人的にはアクチュアリー試験の対策として、年金数理人会能力判定試験の重要度が今後増すのではないかと思っております。
(あくまで年金数理に関してのみ)
 年金数理人会試験の年金数理は、実務内容に近い問題が出題されるため、年金業務未経験者にとってはとっつきにくい試験だったと思いますが、昨年のアクチュアリー試験の年金数理も実務内容に近い問題が多く、年金数理人会試験の問題傾向に似てきたように思われます。
 もし今後も同様の問題傾向が続くのであれば、年金数理人会試験を参考に勉強するのは大変有益になるものと思っております。

アクチュアリー試験年金数理の参考書の書評その他

久しぶりに(?)1次試験の話題です。

今日は読者の方から、メール*1をいただきました。ご質問者の方(学生さん)のご了解を得たので、質問文と回答を掲載したいと思います。


<質問>

今年5科目受験を考えています
(1)*2年金数理について指定テキストを読んでいますが過去問を見ると必ずしも傾向にあっていない気がしますがテキスト以外でどのような参考書などを使っていけば効果的な勉強ができるでしょうか?
(2)各科目ごとに過去問題は何年分やればいいのでしょうか?たとえば10年分とか
(3)記号を覚えることも大変ですが、問題を見ると長文の内容を理解しなければ解けない問題が多数ですが、文章題への対応はどうやっていけばいいでしょうか?


<回答>

(0)

まず、(1)〜(3)にお答えする前に
「5科目受験」というのには慎重な検討が必要
と考えます。
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090827
でも触れましたが、5科目エントリーされる方で共倒れになるケースを少なからず見ています。
当該エントリーをご覧になった上で、基礎力とかけられる時間を測定する必要があると考えます。
なお、
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20091130
で触れた方も昨年5科目受験されたようですが、ある時期から当該掲示板に書き込みをされなくなっています。

(1)

残念ながら特に年金数理については、指定テキストを超えるいい参考書がなかなか見つからない状態です。

とりあえず書籍・資料名と寸評を記しておきます。

(a)黒田耕嗣 (編集)、塩谷実・斧田浩二・小野 正昭 (著)「生保年金数理〈2〉理論・実務編」

ISBN:4563011126
生保数理の後半と年金数理1冊になった本です。「生保年金数理〈1〉理論編」(ISBN:4563011118)の続編で<1>の方は数学〜生保数理の前半まで易しくかつコンパクトにまとまっていますが、こちらの方は実務との関係にも軸足が置かれている模様で必ずしも試験向きとはいえません。
なお(試験という観点を離れますが)、巻末のアクチュアリー記号の解説は素晴らしいです。

(b)日本年金数理人会 (編集) 「年金数理概論」朝倉書店

ISBN:4254290063
年金数理人会編集の本ですが、教科書とは書き方が違っている点もあるので要注意です。

(c)小暮雅一「保険の数学―生保・損保・年金」保険毎日新聞社

ISBN:4892930342
生保数理、損保数理、年金数理の基礎がまとまった本ですが、これだけでは試験をカバーできません。*3

まともな書評は
The企業年金BLOG「保険の数学」
http://dbdc.seesaa.net/article/149389035.html
をご覧下さい。

(d)東京工業大学「年金数理」講義資料

http://www.me.titech.ac.jp/senkou/sjinfo.html
これもこれだけでは試験範囲がカバーできません。
The企業年金BLOG「東京工業大学大学院『年金数理』講義資料」
http://dbdc.seesaa.net/article/127383318.html
をご覧下さい。

(e)年金数理人会能力判定試験

http://www.jscpa.or.jp/siken/indexs.html
アクチュアリー試験の年金数理の試験委員と同じようなバックグラウンドを持つ方々が作られていると考えられますので、本番の問題の参考になりますが、解答だけで解説がないのが難点。受験前の力試しとしての活用向けかも知れません。

(2)

これは人によって答えが違うと思いますが、私は5〜6年程度やれば十分だと考えます。少なくとも平成12年から新制度になっているのでそれ以前の問題には取り組まなくてよいでしょう。(特に新制度に入る直前の数学2(統計)の問題は激烈に難しいです)
過去問への取り組み方の一例については、
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090827 (前掲)
をご参照ください。

なお、過去の問題に取り組む際には試験範囲の変更
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100502
等に要注意です。

また、
(a)会計については、最近毎年のように会計制度の改正がある
(b)年金数理については現実の制度改正に教科書がついていっていない
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20080819
点等にも要注意です。

(3)

ここですが、申し訳ないですが確たる答えを持ち合わせていません。*4
高校生向けのサイトで恐縮ですが、何らかのご参考になれば幸いです。
http://manabi.benesse.ne.jp/kuchikomi/question/first/study/mathematics/9343/

以上

*1:なお、メールでご質問される方は、http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20090510 とそのリンクにお目通しください。

*2:原文では丸数字の1ですが、機種依存文字のため変更

*3:正確には私が見たのは旧版の方だけですが、新版は旧版とほとんど変更ない模様です。

*4:私自身は数学の文章題を読むのに困ったという経験がありません

私の「アクチュアリー試験」観

前回のエントリー
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100602
に対し、生保アクチュアリーである、むしまん(@mushiman2)さんからコメントをいただいたので、(これまで本ブログやTwitterを長期にわたってご覧になられた方にはお分かりかも知れませんが)私のアクチュアリー試験に対する考え方を整理しておきたいと思います。


1.むしまんさんのA)の考え方に書かれている「正会員になって、ようやくアクチュアリーとしての出発点に立ったと言える」というのはある意味あたっているとおもいます。*1
ただし、2次試験が(全然とまではいわないが)「アクチュアリーとしての素養を高める」ことにも「実務にも役に立つ」ことにもそれほど直結するものではないと考えています。*2
寧ろそのような「精神論には嫌悪を抱く」という方に近いと思います。
試験と「素養」や「実務」との相関係数が低いからこそ、
そのような試験はなるべく早めに切り上げて「好奇心を満たすと共に、自己の能力向上に」役立つ勉強
を始めてほしいと願っています。


2.その意味でこのブログは、
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20070822
でも宣言したとおり、
1次試験特に数学を中心になるべく効率よくアクチュアリー試験に受かること
を主眼として立ち上げたもので、その1つの到達点が
アクチュアリー試験に役立つ知識と知恵」
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20091208
シリーズにあると考えます。
これなどはA)のような方*3が忌み嫌うべき対象なのではないかと考えます。


3.次に2次試験の捉え方ですが、「2年目の研究会員程度でも、実務をしていれば、知ってる程度のことしかでない」というのは、半分当たっていて半分当たっていないと思います。
まず、損保2の問題をアクチュアリーではない経理部門経験者に見せたことがあるのですが、「簡単」だとおっしゃっていました。したがって、「2年目の研究会員程度でも、実務をしていれば、知ってる程度のこと」というのはこの点ではあたっていると思います。
ただし、この仮定が有効な範囲について議論の余地があると考えます。
例えば、去年の損保2(損保会計)では自動車損害賠償責任保険自賠責保険)の責任準備金の計算が出ています。これは実務をやっていれば十分対応可能だと思います。ところが、自賠責保険の責任準備金計算は特殊な分野でかつ保険数理の知識が必要とされるところでもないので、自分も含めてアクチュアリー自賠責の実務をやっているなんて例はほとんどないと思います。
これは極端な例ですが、特に損保アクチュアリーの場合は、
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100317
でも書いたように、積立保険がその契機となっていることなどから、積立保険等の商品部門からそのキャリアを始めたりして、経理部門の経験がないまま(損保2の)試験に臨むということが少なくありません。
したがって、経理部門で実務を担当していれば自明な内容であっても実際に手を動かしていないと難解なものになってしまうことが少なくありません。
また、一定以上の規模の会社では、経理部門であっても全部の範囲(支払備金、責任準備金、税務etc)に一遍に関わるということはまずないと思われるので、自分の担当している分野については「実務をしてい」るとは言い難いことになると考えます。


4.また、前回
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100602
も申し上げましたが、特に損保2では最近の法令の改正等が好んで出題されています。
損保の2次試験のテキストは去年の7月に改定されたので、あと3〜4年程度は改定されないと考えます。(その前は平成17年7月、さらにその前は平成12年6月)
したがって、今のテキストは新しいテキストがでるまでは古くなる一方なので、そのGapを埋めることが試験勉強(特に損保2では)極めて重要な要素になってくると考えます。
そのため前々回
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20100531
では、そのあたりの知識のアップデートの仕方について自分なりの方法を示したところです。


5.以上のことから、テキスト以外の文献については、別に「素養」とか「実務に役立つ」とかいう観点などではなく
「試験に出るから」というその1点のみ
でお奨めしているところです。


6.なお
(1)B)にあるような「試験に受からない」方を「最低限の能力に欠ける」とは思いません。特に2次試験を受けられる方は1次試験に全部合格した方ですから、十分能力があり、かつ少なからぬ時間を試験勉強に振り向けた方だと思います。


(2)C)ですが、私が接した範囲では幸いにも(ほとんど)いませんでした。昔、若手社員や内定者の受験支援をしたことがあるのですが、彼らはそれはとてもよく勉強していました(好きかどうかは不明ですが)。
むしろ、指定された教科書・参考書(数学であれば国沢先生の演習書等)や評判のよい参考書を「頭から全部」やろうとしていて、(A〜Cで強いて分類するとすれば)A)に属するようなタイプの方が多かったと思います。
繰り返しになりますが、私自身は、
http://d.hatena.ne.jp/actuary_math/20080526
にもあるように、(少なくとも1次試験については、)そのように「頭から全部」という方法は、量が膨大でやってられないという立場をとっており、効率的な方法をこのブログで提示することを試みているところです。


以上

*1:ただし、正会員でなくても、優れた活躍をされている方がいらっしゃることは確かです

*2:例えば損保1(損保商品)の試験に受かっても新商品1つ作れません(申請書がかけない)。

*3:そのような方は、このブログからほとんど得るところはないので、読んでいることはほとんどないと思いますが